芸術の秋

皆さまこんにちは。岩﨑です。台風や大雨続きの10月も終わり、すっかりニットの似合う秋になりました。私は早速去年買ったきり全く着る機会のなかったニットを引っ張り出し、やっと衣替えか、と何だか一息ついておりますが、皆さまは如何お過ごしでしょうか。

さて、私は現役の大学院生なので、先週末は大学の芸術祭に出演してきました。
・・・ピアノ講師ですが、長唄三味線を弾いてまいりました。
本年度のプログラムは、供奴、元禄風花見踊、鞍馬山、俄獅子、勧進帳でした。私はこの中の元禄風花見踊には弾き唄いで、俄獅子はワキで、勧進帳は上調子で参加させていただきました。

元禄風花見踊は、明治に三世杵屋正治郎によって、新富座が開かれる記念のセレモニーのために作られた曲です。同時に軍楽隊の演奏等もあったという記録がございますので、鎖国から開かれた日本にとって、異国の音楽との共演を初めてした長唄とも言えるのではないでしょうか。上野の楽し気なお花見の様子が描かれており、三味線も唄も終始楽しく華やかです。
正治郎は明治三傑と呼ばれる名人の一人で、演奏にも長けていたと言われています。そのため、合方(唄が無く三味線のみで演奏する器楽的部分)はそうきたか!と言いたくなるような難しい手がつけられています。

俄獅子は、四世六三郎の作曲で、廓の様子を描いた曲で、こちらも花見踊と同様に終始楽しい楽曲です。緩急がはっきりしており、絶妙な長さのゆったりとした唄の聴かせどころがあった後には三味線の華やかな手が入るため、何度弾いても、何度聴いても飽きない曲です。三味線の手も勿論ですが、唄がなんとも粋ですし、色っぽい歌詞が続いているにも関わらず非常にお洒落で、歌詞も遊びがふんだんに使われています。
六三郎は廓にが大好きな人だったようで、廓を題材にした楽曲を数多く作曲しています。俄獅子はその中の一曲です。

勧進帳は、以前もこのブログで触れた通り、言わずと知れた歌舞伎十八番の中の一曲です。作曲は俄獅子と同じく四世六三郎です。江戸の歌舞伎と言えば荒事ですが、写実主義が流行った文化文政時代、七代目の団十郎は市川家の名に懸けて、歌舞伎十八番を選定し、その中の一曲として能の安宅を取り入れたこの勧進帳を作りました。
能は、武士の嗜みと言われるものでしたので、それを取り入れたこの勧進帳は庶民には受け入れ難いものだったと想像できます。
しかし、この勧進帳は名作、名曲として、現在でも盛んに上演、演奏されています。何といっても内容、構成がよく、唄の節、三味線の手、どちらも秀逸です。
歌舞伎では演奏されませんが演奏会のみで演奏される滝流しの合方というものがあります。こちらの作曲は六三郎ではなく、花見踊の作曲者の三世正治郎です。こちらも華やかなでが難しく、非常に盛り上がる手がつけられています。

さて、芸術祭の本番と言えば演奏は勿論、衣装の着物も楽しみの一つです。
今回私は水色地に様々な色の点模様が入った小紋に、黒の猫の足跡柄の帯をしました。
この帯が、思いがけず袋帯で、前日に着付けの練習をしている際にぶちぎれそうになったのはまた別の機会にでも。

芸術の秋。皆さまも是非、和の文化に触れてみてはいかがでしょうか。

岩﨑。

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